強皮症の種類と症状について

強皮症は皮膚が硬くなることを主症状とする比較的まれな病気です。強皮症のなかには、硬化が皮膚の一部に限られる限局性強皮症と、皮膚だけでなく血管や内臓も同時に侵され、膠原病に分類される全身性強皮症(または全身性硬化症)とがあります。一般に強皮症といえば、全身性強皮症を指します。
難病に指定されている全身強皮症には、様々な症状が伴います。強皮症という名称のため、皮膚が硬くこわばる症状が有名ですが、それ以外にも多様な全身症状をきたします。ここでは、強皮症に見られる症状を解説していくことにしましょう。
<皮膚の硬化>
強皮症にかかると、指先、つま先といった末端から順に皮膚の硬化が始まります。末端から身体の中心部へと進行していき、皮膚硬化のほかにも石灰沈着(血液中のカルシウムが細胞間に沈着)、色素沈着(黒ずみ)、色素脱失(白くなる)、皮膚の乾燥や痒み、血管拡張(発赤)、さらには皮膚の潰瘍などの症状が見られることもあります。
<レイノー症状>
レイノー症状は、強皮症の初期症状として知られています。強皮症患者の9割以上に見られ、冷たいものに触れたり、寒いところに行くと手足の末端に血行不良が生じるものです。指先など末端が白や紫に変色し、痛みや痺れなどの違和感が生じます。
<肺線維症>
全身症状として、肺が硬化する肺線維症が知られています。息切れ、咳などが初期の自覚症状ですが、高血圧や肺炎の原因になることもあります。また、肺線維症が悪化すると、心機能にも影響を及ぼすことがあるので注意が必要です。
<強皮症腎クリーゼ>
強皮症の全身症状で腎臓の血管が狭窄し、高血圧をきたすことがあります。めまい、頭痛、胸痛、吐き気などが自覚症状であります。腎不全を起こすこともありますが、薬による早期治療も可能です。
<逆流性食道炎>
食道が硬化することで、食べ物が胃へ流れづらくなったり、胃酸が逆流しやすくなったりすることがあります。胸焼けのほか、逆流性食道炎がもっとも多く見られます。
強皮症は慢性の病気で,現状ではこの病気を完全になおしてしまう治療法は確立されていません。そのためか,「私の病気は今の医学ではなおる見込みはないのでしょうか?」といった悲観的な質問をよく耳にします。でも,ちょっと待ってください。あなたのまわりに高血圧や糖尿病の薬を飲んでいる人はいませんか?高血圧や糖尿病はひじょうに一般的な病気ですが,これらの病気を完全になおしてしまう治療法はまだ確立されていません。しかし,これらの病気をコントロールすることは可能です。根本的に血圧を正常に戻してしまう薬はありませんが,血圧をコントロールする薬を飲みつづけることによって高血圧を治療しているのが現状です。
強皮症も同じです。強皮症を完全になおしてしまう治療法は確立されていませんが,コントロールする治療法はいろいろと開発されてきています。症状はそれぞれの患者さんによってさまざまですので,われわれはそれぞれの患者さんに適した治療法を考えています。強皮症をうまくコントロールしながら長くこの病気とつきあっていくことを考えてください。